大学を卒業した月に、大学の同級生で今も作家活動を続けている尾中文さんと二人展をした。
「せっかく二人で展示をするのなら、それぞれつくった作品をただ並べるのではなく展示自体にコンセプトが欲しい」という彼女の提案により、
・私がつくった作品をインスピレーションに彼女が作品をつくる(2組)
・彼女がつくった作品をインスピレーションに私が作品をつくる(2組)
・同じテーマで作品をつくる「海」「分裂」「気配」(3組)
以上の計7組から成る、二人が呼応する展示というコンセプトを持つ事にした。タイトルは『CHANNELING』。
「タタリギョ」は、尾中文さんの写真作品をインスピレーションに私がつくった作品。
漁港。そこで日々を営む人々、かなり黒が強い。おばあさんが作業の手は止めずに訥々と語り出す。『手を差し伸べられたと思ってその手に乗ると、それは疑似餌で、あっという間に丸呑みにされてしまうから気をつけるんだよ。』何かの比喩なのだろうか。そんな海の怪物の話。