2023年4月12日水曜日

「日の本に雨」2022


梅雨時に奈良柳生の里を散歩した時の個人的なイメージ。

柳生新陰流、柳生十兵衛の柳生です。


技法は塗りの研究がメイン。モチーフはちょっと真面目過ぎるかんじもするけれど、6月の湿っぽさの表現はモチーフ選びも含めてそれなりに良く出せたかなと思う。
私の描く輪郭はぐにゃぐにゃと有機的なので、それを効果的に魅せるために直線と対比できないかなとちょこちょこ実験中。

6月は滝本晃司さんの音楽をよく聴く。
雨の名曲がたくさん。


「月面犬おすわり」2013

 


顔面が月面模様の犬。


我ながらなんだコレな作品。2m×2m×1.9m。
「すごく広いアトリエをお持ちなんですね」と言われる。そんな事はなく、引いて見るとか不可能な、部屋の容積の大半がコレで埋まった状況での作業でした。
めちゃくちゃなモン作ってしまったと恥ずかしかったけれど、『京展』にて館長奨励賞を頂いた。無視できない存在感だけはあったのかなと。最近無茶をしていない気がする。



「ふくら根っこ」2014

 


地上にやっと少し芽を出した、そのすぐ下、土の中には大きな球根と方々に伸びた根っこがあって。
花を咲かせるには色々色々やってみなきゃだな、と思ってつくった作品。






「ヤドリ」2012





宿主よりも大きくなった、木の枝に宿る生き物。
ヤドカリや孔雀石のイメージをモチーフにした。

「石上鶏図」2020

 



こちらも石上神宮の鶏モチーフ。

油絵具の下地にアクリル絵具が使える、というのを試した事がなかったのでやってみた2枚。(油絵の上にアクリル絵具はダメだそう。)アクリル絵具だけだとぺたっとした画面になるのでモデリングペーストを混ぜ盛り上げて何層か描いてから、上の二層ほどは油絵具。
油絵具のみで描くのとはまた違う仕上がりになった。アクリル絵具部分の表面はほぼ隠れているのだけど、下地って思った以上に影響あるなと。反射の具合なのか、油絵具を使っただけの方が繊細で重厚感がある。かといって下地にアクリルを使ったら安っぽいと言ったら言い過ぎで、少しカジュアルで見やすい印象。これはこれで良いかも。

アクリル絵具は描いたそばから乾いていく。一方油絵具は乾燥に数日かかる。下地にアクリルを使えば時間とお金の節約になるかもと思ったけれど、完全に代替品にはならないかな。
でも、こういうカンジに仕上げたいって時もあるかもしれないので試してみて良かった。

「石上鶏図」2019

 


読みは「いそのかみけいず」。奈良県天理市にある石上神宮(いそのかみじんぐう)にいる鶏をモチーフに描いた。
何か古くからの縁があるのかなと思いきや、誰かが勝手に神社に鶏を放ったのがきっかけだとか。ともあれ古刹に鶏が歩き回る眺めは趣があって好きだ。

石上神宮は古代史的には超超重要神社。軍事を司る物部氏(もののべし)の武器庫である。『もののふ』の語源は物部から来ている。この神社が所有する七枝刀(しちしとう)という古代の鉄剣がある。端的に言えば、古事記にはちゃんと史実が書かれているという信憑性を高める事となった古代史随一の激熱アイテムなのである。私が岡山県に移住してまず訪れた古代史スポットは赤磐市にある石上布都魂神社(いそのかみふつみたまじんじゃ)という所で、ここも七枝刀関連スポットだったりする。七枝刀大好き。

石上神宮の授与所にはこの七枝刀を模したブローチ等があり、私も授かっていてかなりお気に入り。

「獅子と天狗」2019


「剣の払い」2019

 

「獅子一頭」2018

 

「道化の子供」2018




 

「お面の目の目」2020

 


「おどる魂」2018


こちらも曽爾の獅子舞『獅子踊り』。杉の巨木にぐるりと囲まれたその麓で舞い踊るのは精霊の様にも見えてくる。寺山修司の映画『田園に死す』中の、川向こうから雛壇が流れてくるシーンが大好きで。まさにああいう世界がリアルで繰り広げられているかんじ。


 

「道化の子供のゐる世界」2019

 


曽爾の獅子舞『獅子踊り』は、獅子舞と天狗とたくさんの道化衆が登場して大団円に終わる賑やかで楽しい演目。

お面を被ってビシッと踊る子供たちが私の感覚ではめちゃくちゃにゆめかわいい。かなり小さな子もいるように見えた。お面を被ると一気に非日常に飛ぶ不思議。子供の頃からアンソールの絵の異様な空気感が好きだ。

このお祭の神饌(しんせん)は『すこ』と呼ばれ、餅と柿を里芋の茎で交互に刺して頂上に鶏頭の花を飾ったもの。乙女の姿を形取っているとのこと。人身御供の名残と言われ穏やかでない。ここにも一癖。


「曽爾の獅子舞」2018

 


奈良県曽爾(そに)村にある門僕(かどふさ)神社の秋祭りの映像を見て、その雰囲気に魅了された。奇妙なんだけど、演者の動きが洗練されていて決してB級ではない。そこはかとない寺山修司み。このお祭りをモチーフに連作を描いた。
こちらの3点は、神楽鈴にさげられた布の量感がうまく描けたかなと思う。

小中学校の林間学習で奈良県民にはお馴染みの曽爾村。思い出と夕暮れのススキ野原のイメージが重なり、センチメンタルこの上ない。高原は緑の時期も清々しく、温泉や地ビールもあり観光するにも良い村だ。古くは『漆部郷』(ぬるべのさと)と呼ばれ、漆芸が盛んだったそう。



2023年4月7日金曜日

「あまがみ」2021



獅子舞の方が、めちゃくちゃソフトに女の子の頭を噛んでいて胸キュンである。真庭市久世地区の秋祭りにて。

あちこちの家に『俄留(にわかどめ)』と書かれた紋付きの札が貼ってある。祭への寄付のお礼に貰えると聞く。NPO法人久世だんじり振興会のサイトによると、
ーーー
「俄」は江戸期から明治期に流行った素人が即興で演じる狂言や踊りのことで、家々の前で演じる俄を断る意味としてだんじりが家の玄関などに「俄留」と書いたお札を貼りました。
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とあった。お祭りの時に家の前で誰か踊り出したら面白そうな気もするけど嫌なの?とイマイチ意味がわからないのだけど、「踊り見たよね?はい、お金頂戴!」ってせびられちゃうとかそういう事なのだろうか?セールスお断り的な?何にせよお札のデザインが良いので、これがずらっと並んだ景色は雰囲気があって好きだ。


2023年4月6日木曜日

「雪獅子舞」「ヤク舞」 2018




獅子舞のルーツはインド地方ではないかと言われているそう。まずインドと交易が盛んだったチベットに伝わり、それから東南アジア、東アジアに伝播したという。
日本の獅子舞のテイストが好きで興味を持ったのがはじまりだが、調べてみるとどこの地域の獅子舞も独特にユーモラスで良い。中でもチベットの獅子舞はツボ中のツボ。もう辿れなくてうろ覚えなのだが、(たぶん)インド映画のダンスシーンで出てきたチベットの雪獅子舞とヤク舞のデザインが丁度ぴったり好きなラインのかわいさで。愛くるしさと奇妙さが同居していてカラーリングも好きだし、動きのもったり感も良い感じ。この可愛さを覚えておきたくて絵に描いた。

日本での獅子舞らしき物の最初の記述は飛鳥時代の推古天皇の章に見られる。四天王寺に日本の獅子舞の原形と言われる舞楽が残っているが、非常にゆったりした動きである。我々が獅子舞と聞いて思い浮かべるスタイルは、江戸時代に流行った型らしい。いかにもご利益がありそうな理由を並べる事はせず、『獅子舞見ると縁起が良いよ!』ってざっくりなところも好き。出し物として面白いから支持され続けて残っているんだなと解釈。

 

2023年4月5日水曜日

春の寄せ植え

チューリップとビオラのダブルデッカー、きれいに咲いてくれました。
昨年は初心者ゆえ花壇にゆったり植え過ぎましたがギュッと植えた方が迫力出て良いですね。ビオラは昨年8月種まきしたものです。 

2月末に植えたコンテナ寄せ植えも充実してきていいかんじです。
自分がおしゃれだなーと感じる寄せ植えを観察した結果
・リーフ率が高い
・白い花が入っている
事に気付きまして、その様にやってみました。
絵やファッションと一緒で、こなれた印象にするには抜け感が必要って事ですね。
修行には模倣が一番。

昨年は一年草の寄せ植えづくりが楽し過ぎてしょっちゅう作ってたんですが、鉢の片付けが手間だったので今年はコンテナにて一点豪華主義にしてみています。


2023年4月3日月曜日

菜園近況

2度目の春。
ソラマメの花が満開できれいです。今年はアブラムシもほとんど来ず健やかに成長中。



昨年2月に株を植え付けたアスパラ。昨年春はヒョロヒョロの筋のみ、みたいなのを一本採って終了でしたが今年は売り物レベルのものが2本採れました!新鮮さ全開で美味しかったです。次に生えて来たらもう収穫しない方が良いのか?悩むところ。

初挑戦の「てがるゴボウ」順調です。昨年11月に種まき。葉っぱが青々。3月末にビニールトンネルから防虫ネットに取り替えました。虫に好かれるタイプの葉っぱなのかわかりませんが、とりあえずネットかけとけば安心なので。はじめはポタジェの見た目が悪くなるから嫌だなーと思っていたのに、今やすっかり防虫ネットloverに。

昨年5月に種まきしたアーティチョークについに蕾が!花が見たいので蕾は食べずに見守り中。

苺はランナーで株を増やしてコンテナと畑両方に植え付けました。コンパニオンプランツのニンニクも混植。どちらも元気。
コンパニオンプランツの効果がどれぐらいあるかはわかりませんが、イチゴ×ニンニクは省スペースになってそれだけでもとても良いです。昨年色々やってみたんですが、『マルチがわりに』という文句の組み合わせはイマイチの様に感じました。

夏野菜の促成栽培をしようと2月に種まきしたのですが盛大に育苗失敗…
▶︎ひとつのセルトレイに色んな種類の種をまいたので管理が煩雑になった
▶︎忙しくて一週間ほど手入れが出来なかったのですごく徒長した
▶︎屋内管理していた苗を一日お日様に当てたら夕方にはすべての苗の葉っぱが白くなった(徐々に屋外に慣らすべきだったか)
…反省点はこんなところでしょうか。
気を取り直して種まきし直しました。
家庭菜園にも流行りがあるらしく、難易度無視のミーハーなラインナップであります。

2023年4月1日土曜日

レックスベゴニア冬越し

 

元気に冬越ししたレックスベゴニアを陶器鉢に植え付けました。念願叶って嬉しいです。

秋に予約注文で「ウズモミジ」「アンクルリーマス」「ファンタジー」「エスカルゴ」「ニューヨーク」を購入。育て方を検索すると冬越し難しいという記事も見るし、届いた時期は植え替え適期じゃないとの事なので心配でした。
届いたポリポットのままもそれはそれで心配なので、同じ3号サイズのスリットポットに根鉢を崩さず移し替え。冬の間の管理は室内でレースのカーテン越しの日の当たる場所に置き、少し茎が垂れてきたら水をやる。以上で大丈夫でした。
お疲れ気味の葉を多めに取り除いたので今はスカスカですが、そのうちいいかんじに充実する予定です。


「ニューヨーク」そんなに好みというわけではないけどバリエーションとして真っ赤も入れておくかと思って選びましたが、実物を見ると葉の質感が想像以上に繊細で上品で独特で、かなりのお気に入りになりました。
レックスベゴニアって気持ち悪さと紙一重なところがあって、血飛沫っぽい模様とかは私もちょっと苦手なんですが、実物を見たら好きになるかもしれないなと思いました。

こちらだけは昨秋に近所のホームセンターで見かけて購入。名前は不明ですが色味がとてもきれいです。実験的にこれだけすぐ4号鉢に植え替えしてみたんですが、ダントツで大きく育ちました。

2012年に描いたレックスベゴニアの葉っぱ