油絵は多くの場合、描いては乾かしを繰り返して何層にも塗り重ねて仕上げる。下の層の筆致を白い線で囲み(線の片側はぼかす)、その上に薄めの絵具をかけて色の重なりの効果を色々試していた時期のもの。
好きな油絵具の色はダントツでシルバーホワイト。自分の技法研究課題はシルバーホワイトの扱いと言っても過言ではない。きめ細かい印象で色味が丁度いいきれいな白。しかしこの色の原料は毒性のある鉛白で、もう販売していない国もあるとか。日本でも販売禁止になったら結構辛い。鉛白は古代より長きに渡っておしろいとして肌に塗られていた歴史がある。今普通に使っている物も、後で毒だったと評価が変わるものがきっとあるだろう。それを避けるのはなかなか難しいから、最善策はリスクを分散する事かと頭では思う。