タイトルは「れいげつかぜやわらぎ」と読みます。新元号記念に描きました。
『初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す。』
(しょしゅんのれいげつにして、きよくかぜやわらぎ、うめはきょうぜんのこをひらき、らんははいごのこうをかおらす。)
大伴旅人による清く美しい文章。
この後、旅人の邸宅で酒杯を酌み交わしながらみんなで庭の梅の歌を読もう、と続く。
万葉集に掲載されるそれらの三十二首を読んでみると…もっと後の時代の「お見事!」な歌を色々と知っているゆえに、なんというか素朴な歌ばかりに感じて…失礼ながら読み終えた感想は、「柿本人麻呂ってやっぱりセンスが突出してるんだな…」。
「梅の花は散りすぎる事なく庭に咲き続けて欲しいよ」
「梅の花は今は盛り、みんな髪に挿そうよ」
とかこれぐらいの内容なんです。
しかし、俺のセンスを見せつけてやるぜみたいなギラつきを感じず、宴会の楽しそうな様子は浮かぶ。この気楽な歌会(※個人の感想です)、これぞ風流という気もしてきた。