2023年2月25日土曜日

「くぬぎ」2016

 


青い実が好き。ここから色相環の遠い色に変化するなんて不思議だなといつも思う。人は可能性がたくさんある状況に希望を見出すと思うので、青い実を見ると未来への希望のような物を感じて好きなのかもしれない。園芸が面白いのも、未来の楽しみを仕込む行為という所が大きいと思う。

橿原神宮あたりを歩いていると青いくぬぎの実が落ちていて、それを拾って九谷焼のお皿に乗せて家で飾っていた。するとその実は予想外の順序で熟していった。実の全体が徐々に茶色くなるのではなく、濃い色がだんだん青い部分を塗り替えていく。また拾いたい、どこかに落ちていないかな。

2023年2月22日水曜日

「呉を歩く」2019


高台の神社と隣接する公園から呉の海辺の町を見下ろした情景。ごっこ遊びに興じる女の子達が愛しい。
町を歩き大きな船に圧倒されながらコーヒーが切れている事を思い出し、ゆめタウンのカルディでコーヒーを買う。お店を出てすぐの海上自衛隊資料館『てつのくじら館』がまだ開いていたので見学、機雷について学ぶ。日常と非日常を行ったり来たり。

ずっと前からもっと絵を壊したいと思っている。この作品でチマチマ描くのをやめる!と思ったのに未だにチマチマやってしまっている。何なら自分のサイトに載せている『ひとこま奈良』は、チマチマ欲はこっちで満たそうと思って始めた向きもある。壊すのって本当に難しい。


2023年2月21日火曜日

「ながれる今も」2019


毎年8月に行われる『なら燈火会』のワンシーン。逢魔時に一斉点灯。浮御堂のまわりにボートがたゆたい幻想的。夜の奈良公園界隈はすごく雰囲気が良いので、燈火会以外にも若草山焼きやお水取りなどもオススメ。じんわり暖かい気持ちになりたい夜に。
光が水に映っている様をドラマティックに演出したいあまり、少しギラつき過ぎたかな…。色も生感が強い。それがダメって事はないと思うけど自分のビジョンとはズレている。コントラストのコントロールは課題のひとつ。

2023年2月17日金曜日

「大阪観光」2015


『爆買い』のニュースが毎日流れる頃、夜の道頓堀を通りかかるとそこは異国の熱気で溢れていた。タイのカオサン通りを歩いた時のあのカンジがよみがえり、心が弾んだ。
(おそらく)中国人の兄妹が目に留まった。
おそろいのコーデがかわいい。裕福感がすごい。一人っ子政策の最中も、罰金を払えば二人目の子供を持てると聞いた事がある。
この夜の空気を背景に立つ子ども達が異様で面白く思え、情景を描いた。
 

2023年2月15日水曜日

「blue スイカ blue」2016

 


ブルーシート一面に広げられたスイカ。スイカの品質チェックの模様との事。新聞の地方欄に掲載された写真を見て、青空の下、海に漂う大量のスイカのイメージが浮かび衝動的に描きたくなった。

絶対色々植えまくるんだ!と引っ越しの少し前から園芸youtubeを見始め、まだまだ片付かない家の中を放っぽって、引っ越した2週間後に先駆けて苺の植え付けをした。苺たちは春にたくさん実をつけて、まもなく孫株の植え付け時期となる。講師は専らカーメン君。
「カーメン君ガーデンチャンネル」にて、野菜の種のネーミングセンスをやたらとイジられている種苗会社があった。チラリと種袋に書かれた住所が見える。奈良県橿原市。めちゃめちゃ地元やないかいっ。もしかして絵の元ネタ写真もナント種苗だったのだろうか。スイカの種のシェアがより多い田原本町の萩原農場という所かな?


(2022.9 記述)


 
その後…12月には「甘美人」「もものすけ」「小太りくん(ミニダイコン)」
収穫大成功しました!人参は圃場に植えっぱなしで春先までもつので重宝しました。



2023年2月14日火曜日

「窓際・人形」2012


東北地方の伝承『おしら様』がモチーフ。馬と娘の悲恋の物語が神格化。養蚕の神とされる。
…と聞いて思い起こすのは、日本神話のあのエピソード。アマテラスの機織り(はたおり)小屋にスサノオがイタズラ?で皮を剥いだ馬を投げ入れて機織り女をショック死させてしまい、この件が決定的となってアマテラスは岩戸隠れしてしまう。
これら2つの物語に重なりが見られる。

この絵は『ニヒル牛2』で個展をさせてもらった時に初めて展示した。ニヒル牛は「たま」の石川浩司さんの奥様である石川あるさんのレンタルボックスのお店。良い経験を色々とさせてもらい、関わっていたのが一年半にも満たないなんてびっくり。自分が主に作っている作品がスペースに置きづらく、それ用に小さな雑貨をつくるのが負担になってきてしまいやめることにした。ニヒル牛で出会うのはシンパシーを感じる方ばかりで心地良かった。ベタに中央線沿に住んでニヒル牛にしょっちゅう遊びに行く楽しい20代を過ごしたかった。けれどもやっぱり自分が進みたい道はガチ美術な方面で、基本的には大きな作品をつくらないとお話にならない世界。狭いアパートを借りて生活費を稼ぎながら大作をつくるなんて暮らしで、さらに遊ぶ余裕は出来るのか、本当にやりたい事からは遠ざかるんじゃないかと逡巡し、日課の様に賃貸サイトを覗いていたけれど結局上京はできなかった。音楽を心の拠り所に淡々と制作する地味な日々を送った。後悔はしていない。


2023年2月13日月曜日

「白日」2016


夏目漱石『それから』より、鈴蘭の漬けてあった鉢の水をヒロインの三千代が飲んでしまうワンシーン。
『それから』は最も好きな小説のひとつで、その中でもこのシーンが一番好き。ざわざわする。全く説明的で無く想像する画面は白く美しく、なのにここから読み取れる(想像をかきたてる)情報が多くって、本当に夏目さんてすごいわと。